H19年度より、GISソフトウエアのサイトライセンスによる全学への導入を受け、GIS原理とソフトウエア操作の概論および演習を行う『GIS概論・演習』を開講しています。

GISと教育 GISと教育

ArcGISのサイトライセンスによる全学への導入を受け、GIS関連のカリキュラムの整備を推進しています。

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GIS概論演習(2)

1.開講の主旨と目的

近年、ITの進展にともない、GIS(地理情報システム)自体の操作性も大きく向上しています。それにより、カーナビや「Google Map」といったように、我々の日常生活の中でGISは活躍しています。これは、我々が日々直面する課題に対して空間的アプローチを通して解決へと導こうとしている傾向を示しています。GISを電子システムとして捉えれば,その敷居は高いかもしれません。しかしながら、GISを「課題解決のための空間的アプローチ」として捉えれば、誰にとっても、利用価値は大きくなるのではないでしょうか。

今年度から新設される「地理情報システム(GIS)概論・応用演習(2)」では、「Active Learning(能動的学習)」を基本として、受講生による授業参画を促します。受講生自身が解決すべき課題を設定し、GISを効果的に用いて、これまで以上に良い解決策を導き出すことを目指します。また、本講義の中で、近年の災害対応におけるGISの最新活用事例について紹介し、課題解決現場におけるGISの効力についても学びます。

2.科目の概要

日常生活上に発生している様々な課題を明確にとらえ、その解決法としてのGIS利用術を学びます。また、近年、我が国においても多発化している災害に対して、事前と事後においてどのような事例を通して解決法を検討し、各受講者の視点でのGIS利用のベストソリューションをワークショップ形式で考え、学びます。

3.科目のねらい

危機対応時におけるGISの有効活用の実例に基づき、身近な課題から大きな課題にいたるまで、空間的な視点から課題解決を行うための思考プロセスをもち、GISを一つの課題解決ツールとして援用できる学習者の育成をねらいとしています。

4.学習の到達目標

  • 受講者は、設定した課題に対して空間的な視点から解決策を講じることができる
  • 受講者は、危機対応におけるGISの有効性について討議ができる
  • 受講者は、解決策を実行するための技術を習得する
  • 受講者は、他者のもつ課題を空間的視点から解決支援ができる

5.登録のための条件(注意)

本科目はワークショップ形式をとるため、継続的かつ積極的な参加が求められます。

6.学習方法・学習上の注意

本科目ではGISソフトウェア(ArcGIS)を用いることを前提としていますので、コンピュータの操作に関わる最低限の知識を有することが求められます。GISソフトウェア上の技術については、講義の中で学んでいきます。講義の一部で,実務者や先進事例を知る講師を招くことを予定していますが、講師の都合により順番等変更になる場合があります。

授業内容
1
ガイダンスを通して,講義内容の全体像,進め方,評価基準等について,受講者と共有する.本講義の中で実施されるワークショップのためのグループ分けを行なう.
2
前期の講義で学んだGISの概要ならびに技術等を再確認する.また,GISの実際を事例を通して学び,その有効性について再確認する.
3
身近に潜む様々な好ましくない現象を洗い出し,各人にとっての「課題」を適切に設定する方法を学ぶ.課題の設定から,解決モデルの構築に至るまでの流れを学ぶ.
4
GISデータを作成するプロセスを学ぶとともに,データの共有化を図るため,GeoDatabaseの構築,データセットの作成,メタデータの作成等について学ぶ.
5
ワークショップ形式による演習を通して,数名のグループあるいは個人で,身近に潜む課題を洗い出し,重み付けを行ない,重要課題の選定を行なう.
6
選定された課題を解決するための,解決モデルを構築し,必要なデータセットの作成を行なう.データセットの作成にあたっては,情報の再利用性を考慮し,GeoDatabaseを構築し,適切なメタデータの付与を行なう.
7
前の演習で作成したデータセットを用いて,解決モデルに基づき,GISのツールを組み合わせてモデルを具現化する.各人が設定した課題を対象として,具現化されたGISを用いた課題解決法により,解決策の案を提案し,その妥当性を議論する.
8
各グループは10分ほどのプレゼンテーションを行ない,選定した課題,解決に必要なデータセット,解決モデル,提案された解決策を,受講者全員で共有する.また,モデルの妥当性やデータの妥当性について,討議を行なう.
9
災害対応という大きな事象を捉え,その対応の全体像や実状について学ぶ.この理解を踏まえて,現在の災害対応現場におけるGISの有効性について学ぶ.
10
実務経験のある講師(実務者もしくは支援者)を招き,災害対応現場の状況や,現場対応の中での地図の必要性について紹介してもらう.
11
ワークショップ形式による演習を通して,災害対応現場におけるGISの有効可能性について討議する.この中で,GISを災害対応現場で用いるために必要な要件や事前準備等についても討議する.
12
前の結果を整理し,各グループで,災害対応を効果的に進めるためのGISによる支援の可能性と,実現に向けた事前準備の方法についてまとめる.各グループの発表を通して,受講者全員で成果の共有をはかる.
13
日米におけるGISの現場活用の実態を,講義を通して学ぶ.また,GISの現場利用が進む米国の事例と,日本の実態を比較し,GISの今後の展開について考える.
14
これまでのワークショップの成果をまとめて,最終成果レポートを作成する.
15
最終成果物を各自が発表し,受講者全員で共有する.講義を通して学んだ内容ならびに発見した内容をふりかえり,講義の内容を復習する.

田村圭子先生(危機管理室・教授、右)と井ノ口宗成先生(災害復興科学センター・助教、左)

Written in Jul.1, 2009