
平成19年、ブラジルおいて企業経営の経験を持つ国際学術サポートオフィス長である田中亨教授が、ブラジル高等教育機関における地理情報システムの活用の様子を取材に同国を訪問しました。その報告書を掲載いたします。写真はクリックで拡大します。
サンパウロ大学はUSP(Universidade de Sao Paulo)と一般に呼ばれていて、40学科・209コースを持つ州立総合大学です。USPは規模・質共に中南米第一の地位で、過去に大統領を初めあらゆる分野で卒業生が活躍しています。学生数は学部5万6千人、修士2万2千人、博士4千人。創設は1934年で2009年に75周年を迎えます。
USPの工学部はPolitecnicaと呼ばれ、その中の都市工学科(Civil Engineering)の中の運輸工学の1部門としてこの地図情報研究室があります。ここでGISの応用が行われており、研究範囲はGIS関係で広範に渡っています。博士課程の一人の女性を紹介されが、彼女は公衆衛生(Public Health)でブラジル中央部の貧困地帯の伝染病に関する研究を行っており、新潟大学の公衆衛生の短プロに興味を示していました。
歴史は新しくて1976年にSP州内にある幾つもの単科大学を統合して、パウリスタ州立大学(UNESP)となった。32学科119コースで、学部生3万3千人、修士1万人、博士2千人の規模である。
UNESP(SP州内の28都市に散在)の中のグワラチンゲター工科大学(サンパウロとリオデジャネイロを結ぶ幹線道路の丁度中間点のグワラチンゲター市にある)内の都市工学科にある研究室。シルビオ教授はGTSを使った研究をしていますが、特にこの地域で頻発する洪水の被害に対する研究に力を入れています。大学間での教育・研究交流に大変興味があり、新潟大学との連携を推進したいとの申し出がありました。
1920年創立の国立大学。ある時期ブラジル大学という名称を持っていた様に、ブラジルを代表する大学の一つ(前述のUSPと共に)です。リオデジャネイロの海岸に隣接する島全部がキャンパスで、一画に国営の石油会社ペトロブラスの研究所もあります。学部生3万3千人、修士1万人、博士4千8百人。
GISを使った様々な研究を行っています。環境問題から犯罪マップに至るまで、GISを使った様々な研究を行っています。治安の悪いリオデジャネイロ市の、夜10時以降外出禁止地区マップには感心しました。
国際部の教授にも面会したが、UFRJは現在教育面での大学間交流を積極的に推し進めている模様でした。韓国の大学からもオッファーがあると言っていましたが、新潟大学とも何か交流したいとの意思表示がありました。シルバ教授からもペトロブラス(世界ランキング10位以内に入る)との共同研究に新潟大学も参加しないかとの提案がありました。
歴史は古く、1900年にブラジル公衆衛生の問題解決の為に創立された財団で、ブラジルの健康省(日本の厚生省に該当)直属機関です。従業員7,500人の規模で、研究・病院・救急体制・ワクチン製造・製薬・教育・広報を主業務としてラテンアメリカ全体を活動の舞台にしています。
FIOCRUZの中に公衆衛生学校(Escola Nacional de Saude Publica)を持ち、学生7,000人(修士+博士1,500人、特別コース3,000人、技師コース1,500人、夜間コース1,000人)が現在、在籍しています。GISも利用されていて、特に気候変動・温暖化・環境問題に重点が置かれています。新潟大学の公衆衛生の短プロに大いに興味を示していました。
2008年10月31日
国際センター 教授 田中 亨
