支援パイロットプロジェクト
新潟大学国際戦略本部は、「GIS医療新分野への応用研究」を、パイロットプロジェクトとして位置づけ重点的に支援しています。この戦略本部によるGIS支援構想は、文部科学省の「国際戦略本部強化事業」にも採択されました。新潟大学は、次世代GISの国際的な研究拠点づくりを通じ、全学的なプロジェクト支援の課題とノウハウの抽出、水平展開可能なモデルの形成に取り組みます。
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GISと教育
ArcGISのサイトライセンスによる全学への導入を受け、GIS関連のカリキュラムの整備を推進しています。


GISの歴史は、1960年代に遡ります。
現在のGISにつながる大きな源流の一つとして、1962年に構想され、1974年に完成した森林保護管理のための「カナディアンGIS」があります。スキャンニングによる紙地図からのベクトルデータ取得の自動化、ポリゴン情報などをレイヤー構造にするなど、今日のGISの基礎的な技術がここで確立されました。
またアメリカ合衆国内務省地質調査所(USGS)による「GBF−DIME」(Geographic Base File, Dual Independent Map Encoding)と呼ばれる、デジタル化されたトポロジーデータを国勢調査データに照合させる「アドレスマッチング」のシステムも今日のGISへ流れ込む大きな源流となりました。
しかしこのような1970年代の欧米を中心としたGIS構想の試みにもかかわらず、当時のコンピューターの能力には限界があり、GIS構想は実現されぬまま、日本では継続的・組織的なアテンションを維持できず、個別レベルでの開発を除いて次第に忘れ去られてゆきました。
しかしIT技術の劇的な進歩を受け、1992年、新しい学術分野を創出する意気込みで「日本地理情報システム学会」(GIS Association, Japan)が誕生しました。そして何よりも1995年の阪神淡路の震災時、個別レベルで開発されていたガス・水道施設管理システム(1983−)などの電子地図情報と、兵庫県西宮市役所情報システム課において被災後直後に組み上げられたGISシステムが、被害状況の把握、被災者援護、また復興計画などの情報管理型データベースとして貢献し、GISは大きな関心を集め始めました。
同年、日本政府は省庁局長クラスの「GIS関係省庁連絡会議」を設立し、翌年『国土空間データ基盤の整備及びGISの普及に関する長期計画』(1996年12月)を発表し、財政逼迫にもかかわらず大きな予算を割いて、国土空間データ基盤の整備、地理情報の規格化・標準化、行政サービスの電子化に乗り出し、政府によるGIS率先使用を推進し始めました。
そして『長期計画』に引き続き、2002年日本政府は『GISアクションプログラム2002−2005』を発表し、行政府内部でのGISの基盤整備と普及推進に拍車をかけています。今や、「GIS関係省庁連絡会議」設置10年を迎え、GISは「豊かな国民生活を実現するため」の国策となったのです。*
2005年には、地図データを庁内で共有し部局を横断する「統合型GIS」を、7都道府県、158市町村が既に導入しました。地理空間情報活用推進基本法案可決後には、更なる導入が進むと見られています。**
【GIS年表】
1992年 |
「日本地理情報システム学会」創立 |
1995年 |
「GIS関係省庁連絡会議」の設置(阪神淡路大震災の後) |
1995年 |
「国土空間データ基盤推進協議会」(民間GIS推進母体、NSDIPA)創設 |
1996年 |
「国土空間データ基盤の整備及びGISの普及に関する長期計画」 |
1998年 |
「東京大学空間情報科学研究センター」(CSIS)の発足 |
1999年 |
「国土空間データ基盤標準及び整備計画」 |
2002年 |
「GISアクションプログラム2002-2005」 |
2005年 |
「2004年度GISアクションプログラムフォローアップ報告書」 |
2007年 |
「GISアクションプログラム2010」決定(3月) |
2007年 |
「地理空間情報活用推進基本法案」の可決と公布(5月30日) |
2007年の地理空間情報活用推進基本法案可決後、2008年現在では、行政先導による「管理型GIS」のみならず、産官学民の連携による国土地理情報の効率的な共有、準天頂衛星の打ち上げによるGPS精度の引き上げ、GPSと連動したカー・ナビゲーションや携帯ナビゲーションはもとより、消費者からの情報に基づいた「市民参加型GIS」による地域情報の共有など、益々その発展が期待されています。***
*GIS政府関係資料は、「GIS関係省庁連絡会議」サイトを参照ください。
**「統合型GIS」とは、アカデミズムにおいては、多分野を横断しつつも、自律的な学問領域を構成するものとの意味で使われています。しかし政府内GISにおいては、それは、部局横断的な行政サービスのための共有リソースの意味で使われており、いわゆる「ワン・ストップ・サービス」などの行政サービスの合理化の流れと連動しています。
***伊理正夫氏の「新世紀の空間データ基盤と地理情報システム--歴史と現状をふまえた展望と研究課題」(1998)を参考資料としました。
Written in Jul. 2005 (Revised in May. 2008)